能登への電車旅。ローカル線に揺られ、心灯る「Tomoru Hotel」へ

都会の喧騒と情報過多な毎日の中で、ふと「自分と向き合う時間」が欲しくなることはありませんか。次の休日は、あえてゆっくりと進む能登の電車に揺られ、心の速度をゆるめる旅に出てみませんか。
金沢駅からローカル線に乗り換えた瞬間から、旅は目的地への単なる移動ではなくなります。それは、都会の速度から、能登の時間へと心をチューニングしていく、大切なプロローグ。車窓を流れる穏やかな七尾湾、どこか懐かしいエンジンの響きが、忘れかけていた感覚を呼び覚ましてくれます。
この記事では、能登の玄関口・穴水町で今秋オープン予定の「Tomoru Hotel」へと続く、心揺さぶる鉄道旅の魅力とアクセス方法を、余すところなくご案内します。
能登の観光情報についてはこちらの記事でも紹介しております。
能登への電車旅:Tomoru Hotelへのアクセス完全ガイド
能登へ電車で向かう旅は、北陸の拠点「金沢駅」からローカル線を乗り継ぎ、Tomoru Hotelの最寄り駅「穴水駅」を目指すのが基本ルートです。2024年の震災からの復興を経て、能登の鉄道は再び地域の大切な足として、旅人を温かく迎え入れています。
主要都市から、まずは北陸の玄関口「金沢駅」へ
- 東京から
- 北陸新幹線「かがやき」「はくたか」で約2時間30分~3時間
- 大阪・京都から
- 特急「サンダーバード」で約2時間30分~3時間
- 名古屋から
- 特急「しらさぎ」で約3時間
金沢駅から穴水駅へ【旅の序章】
金沢駅からは、いよいよ能登の原風景を味わうローカル線の旅が始まります。
- 【IRいしかわ鉄道・JR七尾線】金沢駅 → 七尾駅 近代的な金沢駅を出発し、少しずつ郊外の風景へと変わっていくこの区間は、これからの旅への期待感を高めてくれます。
- 羽咋(はくい)駅:UFOのまちとして知られ、近くには車で砂浜を走れる「千里浜なぎさドライブウェイ」も。能登のユニークな文化の入り口です。
- 七尾(ななお)駅:能登半島の中核を担う港町であり、ここが旅の重要な転換点。多くの乗客がここで下車し、駅の空気は一気にローカルなものへと変わります。ここから先、旅はクライマックスへと向かいます。(金沢駅からの所要時間:約1時間20分)
- 【のと鉄道】七尾駅 → 穴水駅 七尾駅で「のと鉄道」に乗り換え、穏やかな七尾湾をすぐそばに眺めながら、終着の「穴水駅」を目指します。(七尾駅からの所要時間:約35分)
《合計所要時間》 金沢駅からは、乗り換え時間を含めて約2時間。Tomoru Hotelは、この旅の終着点「穴水駅」からすぐの場所に誕生します。
絶景を走る汽車「のと鉄道」へ。能登の電車旅、その魅力のすべて

七尾駅のホームであなたを待っているのは、都会で乗り慣れた静かな「電車」ではありません。架線のない空の下、ゴトゴトと心地よいエンジン音を響かせる、1〜2両編成のディーゼルカー。地元で愛されるこの「汽車」こそが、能登の旅を忘れられないものにしてくれます。
あえて「汽車」で穴水を目指す理由
- モーター音ではない、エンジンの鼓動 滑るように走る電車とは違う、力強いエンジンの振動。どこか懐かしいその響きは、せわしない日常から心を解き放ち、旅へと誘う優しい合図です。
- 里山里海の絶景を独り占めする車窓 穏やかな七尾湾のきらめき、小さな漁港の風景、緑豊かな田園。次々と現れる美しい景色は、まさに「動く絵画」。特に、海の上を走っているかのような錯覚に陥る区間は、誰もが息をのみ、カメラを向けたくなります。
停車駅が紡ぐ、能登の物語
- 和倉温泉駅:全国的に有名な温泉地の玄関口。華やかさとローカルな雰囲気が同居します。
- 能登中島駅:ホームに古い郵便車両が展示されるなど、鉄道ファンならずとも心惹かれるノスタルジックな駅。
- 穴水駅:現在の終着駅であり、Tomoru Hotelの最寄り駅。ここから始まる奥能登への旅の拠点です。
特別なラッピング列車との出会い
のと鉄道は、様々なカルチャーとのコラボレーションでも旅人を楽しませてくれます。アニメ『君は放課後インソムニア』の聖地巡礼として訪れるファンも多く、作品の世界観に浸りながら旅ができます。 また、これまでには子どもたちに大人気の「ポケモン」のラッピング列車が走り、スタラリーが開催されたことも。こうした遊び心あふれる企画が、世代を超えてローカル線の旅をさらに特別なものにしてくれます。 そして何より、観光列車**「のと里山里海号」**は、これらの魅力すべてを凝縮した、走るおもてなし空間です。
五感で能登を感じる豊かな時間の先に、Tomoru Hotelの灯りが見えてきます。
【物語の奥行き】電車を降りて始まる、もう一つの能登時間へ
Tomoru Hotelの最寄り「穴水駅」は、現在の終着駅。ですが、旅好きなあなたならこう思うはずです。「この線路の先には、何があったんだろう?」と。
かつてこの駅は、奥能登へと向かう二つの路線が分岐する、活気あふれる鉄道のハブステーションでした。一つはJRの路線として輪島へ続いていた**「七尾線」の延長区間、もう一つは半島の先端・珠洲を目指した「のと線」**です。
残念ながら、この二つの路線は今は廃線となりました。しかし、その跡をたどる旅は、電車では決して行けない能登の心臓部に触れる、特別な体験。Tomoru Hotelを拠点に、バイクや車で、失われた鉄路が紡いだ物語を探しに行きませんか。
ドライブ・ツーリングでたどる、二つの「幻の路線」
その日の気分で、どちらの物語を追いかけるか選ぶ。そんな贅沢な旅が、ここから始まります。
- 【ROUTE 1】 珠洲方面へ。「のと線」跡で地域の温もりに触れる 穏やかな内浦の海岸線を走っていた「のと線」。その跡地には、今も地域の想いが灯る場所が点在しています。
- 甲(かぶと)駅跡:廃線駅の寂しいイメージを優しく覆す、温かい交流拠点。地元の有志の手で大切に保存され、女優・常盤貴子さんと町民が一緒に作った花壇が彩りを添えます。
- 能登神野(のとこうの)駅跡:草花に覆われながらも、プラットホームや線路が綺麗に残る場所。風の音に耳を澄ませば、今にも汽車の音が聞こえてきそうな、ノスタルジックな空気が流れています。
- 【ROUTE 2】 輪島方面へ。旧「七尾線」の終着駅で新たな賑わいに出会う 奥能登最大の街、輪島へと人々を運んだ路線の終着点は、町の玄関口として新たな役割を担っていました。
- 輪島(わじま)駅跡:旧七尾線の終着駅は、今、「道の駅 輪島 ふらっと訪夢(ホーム)」として生まれ変わっています。「プラットホーム」にかけたユニークな名前の通り、駅の面影を残した建物が特徴。日本三大朝市の一つ「輪島朝市」からもほど近く、奥能登観光の拠点として人々を迎え続けています。
一日かけて能登の“時の層”を感じた後、Tomoru Hotelの灯りに迎えられる。それは、過去の物語から現在の温もりへと還ってくる、あなただけの特別な体験となるでしょう。
まとめ:能登の電車旅は、あなたの『灯る』を見つける旅の始まり
能登への電車旅は、Tomoru Hotelという「入り口」にたどり着くための、美しいプロローグです。
ローカル線に揺られながら、日々の喧騒から心を解き放ち、自分と向き合う。車窓の風景に心を奪われ、地元の人々の温かさに触れる。その一つひとつの瞬間が、あなたの心に小さな灯りをともしてくれるはずです。Tomoru Hotelは、そんなあなたの旅が「点」から「線」へと繋がり、忘れられない物語となる場所。さあ、次の休日、能登の電車に乗って、あなたの『灯る』のカタチを見つける旅へ出かけませんか。