【能登・穴水町観光ガイド】心ほどける静かな町、穴水へ。歴史、祭り、絶景、グルメを巡る旅

都会の喧騒から少しだけ離れたくなった時、あなたはどんな場所を思い浮かべますか?
もし、派手さよりも心からの安らぎを、溢れる情報よりも自分と向き合う静寂を求めるなら、能登半島のほぼ中央に位置する「穴水町」を訪れてみませんか。
ここは、穏やかな湾に抱かれ、鎌倉時代から続く歴史の息吹と、里山里海の豊かな自然が調和する町。旅人を温かく迎え入れる「まいもん(美味しいもの)」と、人々の熱気が渦巻く祭りの文化が、あなたの心をゆっくりと解きほぐしてくれるはずです。
この記事では、穴水観光でぜひ訪れたい選りすぐりのスポットと、わざわざ足を運びたい絶品グルメのお店をご紹介します。あなただけの、特別な物語を見つける旅へ出かけましょう。
能登の文化についてはこちらの記事でも紹介しております。
時を超えて心を静める。穴水の歴史を巡る観光スポット
町のあちこちに、古からの物語が息づく穴水町。歴史が刻まれた小径をたどる静かな時間は、自分自身の内側へと意識を向ける、貴重なひとときをもたらしてくれます。
【能登大仏(来迎寺)】心安らぐ、優しいまなざし

緑深い山中に静かに鎮座する、高さ8mの能登大仏。その穏やかな表情に見上げていると、不思議と心が洗われるような感覚に包まれます。平和への願いが込められた大仏様に、そっと手を合わせてみませんか。
【長谷部神社】時代絵巻の舞台となる、武将ゆかりの地

この地を治めた鎌倉時代の武将・長谷部信連(はせべのぶつら)を祀る神社。静かな境内は、町の歴史の深さを今に伝えています。後に紹介する「長谷部まつり」の際には、ここから時代の物語が動き出します。
【中居のさとりの道】禅の言葉と、自分と向き合う散策路


曹洞宗大本山總持寺祖院へと続く道には、心に響く禅の教えが刻まれた25本の道標が並びます。
一歩一歩、言葉を噛みしめながら歩く時間は、まるで瞑想のよう。心の塵を払い、本来の自分を取り戻すための散策ができます。
魂が揺さぶられる熱気。穴水が誇る祭り
静かな町の表情は、祭りの日、熱を帯びた勇壮な顔へと一変します。地域の人々の絆と未来への希望が灯る、圧巻の光景に触れてみてください。
【長谷部まつり】時代絵巻が、今に蘇る
毎年7月下旬、長谷部信連の入城を再現する勇壮な祭り。鎧兜に身を包んだ武者行列が町を練り歩く様は、まるで時代絵巻そのもの。歴史が今もこの町に息づいていることを肌で感じられる、特別な体験です。
お祭りを締めくくる最後のランタンは絶景そのものです。


【沖波大漁キリコまつり】青い海と空に映える、真昼の乱舞
夜の祭りが多い能登でひときわ異彩を放つ、真昼の海が舞台の祭り。「ヤッサイヤッサイ!」の掛け声が響く中、担ぎ手が胸まで海に浸かってキリコを豪快に乱舞させます。
夏の陽射しに水しぶきが煌めく光景は、生命力に満ち溢れ、忘れられない夏の記憶となるでしょう。
【雪中ジャンボかきまつり】能登の冬の恵みを味わい尽くす
能登の厳しい冬が育んだ最高の贈りもの、牡蠣。その魅力を存分に味わえるのが、町が一年で最も熱気に包まれるこの祭りです。会場に設置された全長約400mの巨大な炭火焼き台で、新鮮な殻付き牡蠣を自分で焼いて味わう体験は格別。カキフライや牡蠣ごはんも絶品で、香ばしい香りと人々の活気が冬の寒さを吹き飛ばします。
心に残るローカル線の旅。懐かしい風景に出会う「のと鉄道」
ガタンゴトンという心地よいリズムは、それだけで旅のBGMになります。車窓から流れる風景、そして静かに時を刻む駅舎。のと鉄道は、あなたをセンチメンタルな時間へと誘います。

【能登鹿島駅】春、桜色のトンネルに包まれて
「能登さくら駅」の愛称で親しまれる、全国的にも有名な桜の名所。春にはホームの両脇に植えられた約100本のソメイヨシノが咲き誇り、まるで桜のトンネルの中を列車が走り抜けていくような幻想的な風景が広がります。
【旧のと線 甲駅】廃線跡が語る、過ぎ去った日々の物語
かつて人々を乗せて走った、のと鉄道・のと線。廃線となった今も、その面影は町の風景に溶け込んでいます。特に「甲(かぶと)駅」の跡地は、ホームや駅名標が当時のまま残され、訪れる者に静かに語りかけてくるよう。潮風を感じながらノスタルジックな記憶をたどる時間は、忘れられない旅の1ページになるはずです。



【里山里海の絶景に癒される。】能登の雄大な自然を満喫
穏やかな海と緑豊かな山々。穴水町では、能登ならではの美しい原風景が五感を優しく刺激し、心身を深くリフレッシュさせてくれます。
【潮騒の道とボラ待ちやぐら】風と歩く、心象風景
旧のと鉄道の線路跡地の一部は「潮騒の道」として整備され、穏やかな穴水湾を望む絶好のウォーキング・サイクリングコースに。ハイライトは、海上に静かに佇む「ボラ待ちやぐら」。日本で唯一ここに残る伝統漁法の櫓は、まるで一枚の絵画のよう。潮風に吹かれ、ただ景色を眺める贅沢な時間を過ごせます。
【満天の星空】静寂の夜に、宇宙を感じる
穴水町は、余計な街明かりが少ない「星空の街」。夜、ふと空を見上げれば、そこには都会では決して見ることのできない、降ってくるような無数の星々が輝いています。聞こえるのは風の音と虫の音だけ。天然のプラネタリウムの下で過ごす時間は、忘れられない旅の記憶になるはずです。
わざわざ訪れたい!穴水ならではの「まいもん」を味わう名店
旅の喜びを何倍にもしてくれるのが、その土地ならではの食文化。穴水が誇る「まいもん」を、こだわりの名店で味わい尽くしましょう。
【ちゃんこ力】力士の郷で味わう、心と体のスタミナ飯


大相撲の遠藤関をはじめ、多くの力士を輩出してきた穴水町。そんな町のソウルフードと言えば「ちゃんこ鍋」です。「ちゃんこ力」では、鶏ガラを丁寧に煮込んだ秘伝のスープが自慢。豊富な具材の旨味が溶け出したスープは、最後の一滴まで飲み干したくなるほどの深い味わいです。
【能登前幸寿し】奥能登の旬を握る、珠玉の寿司と能登丼

「せっかく能登に来たなら、本当に美味しい魚が食べたい」そんな願いを叶えてくれるのが「能登前 幸すし」。店主自ら市場で目利きした、奥能登の新鮮な魚介だけを使ったお寿司はまさに絶品。旬の幸を贅沢に盛り付けた「能登丼」も人気で、「能登ワイン」とのペアリングも愉しめます。

【oyster & café Coast table】海を眺めながら、旬の牡蠣に舌鼓

栄養豊富な穴水湾で育った牡蠣は、町の自慢の逸品。その牡蠣を、最高のロケーションで堪能できるのが「oyster & café Coast table」です。窓の外に広がる穏やかな海を眺めながら、ぷりっぷりの焼き牡蠣や濃厚なカキフライなど、多彩な牡蠣料理を楽しめます。
【まとめ】あなたの物語が、ここから始まる。

静かな歴史散策、心揺さぶる祭り、穏やかな自然、そして絶品の食。穴水町の観光は、一つひとつの体験が深く心に刻まれる、そんな魅力に満ちています。
ここで紹介したスポットやお店は、あなたの旅のほんの始まりにすぎません。あてもなく路地を歩けば、思いがけない風景に出会ったり、地元の人との何気ない会話が生まれたりする。そんな、予定調和ではない発見こそが、穴水観光の醍醐味です。
そして、この町の魅力を心ゆくまで堪能し、地元の人々と温かく触れ合うには、やはりこの町に宿泊する「場」が欠かせません。
その特別な時間のために、旅人と地域が交流する拠点として「Tomoru Hotel」(2025年秋オープン予定)は誕生します。
あなただけの「好き」を見つけに、そして心に新しい灯りをともしに、ぜひ一度、能登・穴水町を訪れてみてください。
きっと、何度も帰りたくなる、あなたにとっての特別な場所になるはずです。